あらすじ
左目下のホクロを除いた後に失踪した診療所所長・富樫の娘に瓜二つの少女を、女医・和江は深夜の山中で見かける。そして彼女を追いかけ、洋館にたどり着く。そこで和江は瀕死の少女・雪子を発見する。
作品考察・見どころ
本作が描くのは、究極の美が狂気へと反転する瞬間の凄惨なカタルシスです。及川中監督によるソリッドな映像美が、富江という絶対的な存在が周囲を侵食していく様を冷徹かつ官能的に映し出します。特に白田久子が体現する富江の、他者を嘲笑い破滅へと誘う冷ややかな眼差しは、観る者の倫理観を揺さぶる圧倒的な磁力を放っています。
嶋田久作ら実力派が、富江に魅入られ自我を崩壊させる人々の業を凄まじい熱量で演じ、心理的恐怖を極限まで増幅させます。美への執着が招く悲劇とその永劫回帰を冷酷に突きつける本作は、単なるホラー映画の枠を超え、鑑賞後も脳裏に焼き付いて離れない深い余韻を刻み込むことでしょう。