あらすじ
33歳の雑誌編集者コーロキはミュージシャンの奥田民生を崇拝し、奥田のようにわが道を進む社会人に憧れながら、少々場違いなライフスタイル誌「マレ」の編集部に異動となる。コーロキは仕事を通じ、あるアパレル会社で広報(プレス)を担当する美女、あかりと知り合い、たちまち彼女と恋に落ち、すっかり夢中になる。だが、実はあかりの前の恋人は編集部の先輩、吉住だと判明。さらにあかりはその後もコーロキを翻弄し続ける。
作品考察・見どころ
本作の本質は、憧れの象徴である「奥田民生」的な自然体への渇望と、抗えない欲望がもたらす地獄の対比にあります。妻夫木聡が見せる凡俗な男の悲哀と、水原希子が体現する、理性を破壊する圧倒的なファム・ファタールの輝き。この二人の化学反応が、ポップな映像美の裏側に潜む痛烈な人間描写を鮮やかに際立たせています。
大根仁監督によるサブカル感溢れる演出は、恋という名の熱病を極上のエンターテインメントへと昇華させました。理想を追うほどに泥沼へ沈む主人公の姿は、観る者の心に潜む自意識の歪みを鋭く突き刺します。残酷なまでに美しい絶望と快楽のダンスを、ぜひその眼で確かめてください。