美空ひばりという不世出のスターが放つ圧倒的な「粋」が、本作の真髄です。江戸っ子気質の威勢のいい啖呵と、聴く者を陶酔させる歌声のコントラストは、映像作品ならではの贅沢な快感と言えるでしょう。彼女が体現する真っ直ぐな生き様は、観る者の鬱屈を吹き飛ばす強烈なエネルギーに満ちており、スター映画の黄金期が持つ底力をまざまざと見せつけます。
中原ひとみら共演陣との息の合った掛け合いも絶妙で、喜劇としての多幸感を一段と高めています。単なる娯楽に留まらず、正義を貫く潔さと人情の機微を鮮やかに描いたメッセージ性は、現代を生きる私たちの心にも深く響くはずです。華やかな演出に彩られた銀幕の女王の輝きは、今なお色褪せない感動を約束してくれます。