細田守監督が放つ本作は、祝祭の影に潜む死と孤独を鋭く炙り出した、シリーズ屈指の異色作にして傑作です。明快で活気あふれる前半から、物語の進行と共に徐々に不気味な歪みを帯びていく映像演出は圧巻。絶対的なはずの仲間との絆が、極限状態で脆くも瓦解していく心理描写は、観る者の倫理観と感性を激しく揺さぶります。
特筆すべきは、生命の輝きと醜悪さを共存させた圧倒的な画力です。田中真弓さんはじめ声優陣の魂を削るような熱演が、絶望の淵に立たされた人間の生々しさを際立たせています。単なる冒険譚の枠を突き破り、喪失の痛みと向き合う勇気を問う本作は、あまりに鮮烈で、残酷なまでに美しい映像体験と言えるでしょう。