役所広司の圧倒的な怪演が、本作を単なる極道映画の枠から解き放っています。欲望に忠実で、自らも薬物に溺れながら破滅へと突き進む主人公の姿は、観る者の倫理観を揺さぶるほどの生々しさに満ちています。彼の放つ剥き出しのエネルギーと、狂気と滑稽さが同居する唯一無二の存在感こそが、本作の真骨頂と言えるでしょう。
人間の業とエゴを極限まで増幅させた演出は、ある種の純粋さすら感じさせます。法やモラルを超越した地点で、命を燃やし尽くそうとする男の生き様は、混沌とした時代を象徴する強烈なメッセージを放っています。映像から溢れ出す狂おしいほどの熱量に圧倒され、魂が震えるような衝撃を味わえる、紛れもないバイオレンス映画の傑作です。