あらすじ
人工知能によって支配管理される近未来の世界。一握りの富裕層は上層階で優雅な生活を送り、数多くの貧困層は上層階から廃棄される汚染物質の雲に覆われた環境で生活していた。ある日、上層階から美貌のアンドロイド・如月瞳(西内まりや)が落ちてくる。彼女は如月博士が開発したアンドロイドで、彼の娘の記憶が移植されている上に感情を持っていた。やがて彼女は、上層階の新聞記者・早見青児や、浦木一仁をはじめとする下層階で抵抗する人々と出会い……。
作品考察・見どころ
本作は、従来の明るくセクシーなハニー像を根底から覆す、ダークで退廃的な世界観が最大の魅力です。西内まりやが体現する如月ハニーは、かつての華やかさよりも、孤独と哀しみを背負った戦士としての美しさが際立っています。無機質な近未来の情景の中で、彼女の揺れ動く繊細な感情がスクリーン越しに突き刺さり、アンドロイドとしての運命と、それでも消えない人間性との葛藤が観る者の心を激しく揺さぶります。
原作の永井豪によるエンターテインメント性を保ちつつ、実写化にあたって極限まで研ぎ澄まされたのが自己犠牲というテーマです。特撮的な爽快感よりも、格差社会という重厚なメタファーを通じて描かれる、切なくも気高い愛の物語へと昇華されています。CGを駆使したスタイリッシュなアクションと、石田ニコルが放つ冷徹な敵役との対比は、映像ならではの緊迫感を生み出し、まさに涙という副題が象徴する深い情緒を体感させる一作です。