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本作の最大の魅力は、九十年代初頭の新宿が放つ頽廃的な空気感と、そこに生きる人間の剥き出しの生存本能を捉えた暴力的なまでのリアリズムにあります。主演の役所広司が見せる、静かな狂気を孕んだ圧倒的な存在感は、単なる犯罪映画の枠を超え、魂の摩耗を描く濃厚な人間ドラマへと作品を昇華させています。 特に、異質な輝きを放つキャスト陣が織りなす危ういバランスと、国境を越えた欲望が渦巻く極東の闇の描写は圧巻です。絶望の淵でしか見えない一筋の絆や、法と倫理を凌駕する個の意志が、鮮烈な映像美とともに観る者の心に突き刺さります。虚飾を排した硬質な演出が、現代社会の底辺に流れる孤独と情熱を浮き彫りにする傑作です。
監督: 馬場昭格
脚本: Jiro Ueno / 松本功 / Teruji Hirakawa
音楽: 埜邑紀見男
制作: Kazuyuki Yokoyama / 稲葉清治
撮影監督: 加藤雄大
制作会社: Toei Company