本作が描くのは、十七歳という季節特有の、鋭利で壊れやすい感受性のゆらぎそのものです。閉塞感漂う日常の中で、何者かになろうとする焦燥と、言葉にできない渇望が、息を呑むほど美しい映像美で切り取られています。触れれば壊れそうな一瞬の輝きをスクリーンに定着させた、詩的な情景が観る者の胸を激しく揺さぶります。
主演のエリザベス・ヴァビッチの、瞳の奥に潜む憂いと情熱を体現した演技は圧巻です。微細な表情の変化が、誰にも言えない秘密を雄弁に語り、観客を彼女の内面世界へと深く引き込みます。自己を模索する痛みすらも肯定しようとする本作の眼差しは、観る者の魂を浄化し、忘れかけていた純粋な勇気を呼び覚ましてくれるでしょう。