本作の真髄は、啓蒙思想家ボルテールの「知の闘争」を圧倒的な熱量で映像化した点にあります。言葉という武器で不条理な権力に立ち向かう彼の姿は、現代にも通じる不屈の精神を提示しています。知性とユーモアが光る重厚な演技とセリフ回しは、観る者の理性を刺激し、思考の自由というテーマを鮮烈に描き出します。
光と影を操った演出も白眉です。抑圧された時代の暗澹とした空気を、ボルテールの鋭利な言葉が「光」として切り裂く瞬間のカタルシスは圧巻です。正義とは何かという根源的な問いを、一人の情熱を通じて体現した本作は、鑑賞者の魂を激しく揺さぶる至高の人間ドラマといえるでしょう。