あらすじ
ヒット本を多数出版する売れっ子占星術師、緑川祥子。その占い師が生放送の番組で上田次郎ら大学教授4人と対決することに。その放送中に加藤という男が緑川祥子に騙されたと因縁を付けてきた。そこで緑川祥子は占星術でその男を占った所、その男は番組中に寿命が終わり死ぬと予言し、緑川祥子の予言通りに加藤は番組中に心臓発作で死ぬことになる。それを目撃し困った上田と大学教授らは緑川祥子の記念館がある富市山村(とみいちやまむら)で緑川祥子と対決することに。奈緒子は一度は上田の誘いを断るも、アパートから家賃滞納を理由に追い出され、結局上田の誘いに乗り同行する。
作品考察・見どころ
自称売れっ子奇術師と物理学者の凸凹コンビが織りなす唯一無二の空気感。堤幸彦監督によるシュールな演出と、随所に散りばめられた小ネタが笑いを誘う一方で、常に人間の業や悲哀が漂う点が本作の本質です。仲間由紀恵と阿部寛の絶妙な掛け合いは、インチキ超能力の裏側に隠された孤独や切なさを浮き彫りにし、観る者の心を掴んで離しません。
単なるミステリーの枠を超え、権威や既成概念を軽快に揶揄する精神こそが作品の核。どんなに不気味な怪奇現象も、突き詰めれば人間の歪んだ欲望が生み出した手品に過ぎないという冷徹な視点が見事です。笑いと恐怖、そして一抹の寂しさが同居する独特の美学は、映像表現でしか到達し得ないエンターテインメントの極致と言えるでしょう。