本作は黒沢清監督の長編デビュー作であり、ピンク映画の枠を借りながらも、その実体は既成の映画文法を軽やかに解体するアヴァンギャルドな挑戦状です。神田川周辺の閉鎖的な空間を舞台に、奇妙な構図と執拗なカット割りによって日常を異化させる演出は、後の世界のクロサワを予感させるに十分な鋭利な知性と実験精神を放っています。
麻生うさぎが見せる生々しい生命感と、空間に潜む不条理なユーモアが交錯する瞬間、観客は単なる官能を超えた、実存的な揺らぎを突きつけられます。性と生が滑稽なまでに激突する戦場の中で、若者たちの虚無と渇望を鮮烈に描き出した本作は、映像表現という名の自由を叫び続ける不朽の異色作として、今なお鮮烈な光を放っています。