第二次大戦後のアイスランドを舞台に、軍用小屋で逞しく生きる人々の群像劇を、泥臭くも鮮烈に描き出した傑作です。悲劇と喜劇が渾然一体となった演出は、過酷な現実を笑い飛ばす人間の強靭な精神を鮮やかに浮き彫りにします。画面から溢れ出す圧倒的な生命の鼓動は、観る者の感情を激しく揺さぶらずにはいられません。
若き日のバルタザール・コルマウクルが見せる狂気と哀愁の演技は圧巻です。外来文化に翻弄されながらも、抗いがたい力で生を謳歌する彼らの姿は、アイデンティティの根源を問いかけてきます。荒廃した景色さえも美しく映し出す映像美と、剥き出しの人間賛歌に、魂が震えるような深い感動を覚えるはずです。