タヴィアーニ兄弟が描くこの傑作は、凄惨な戦争の記憶を、まるでおとぎ話や神話のような幻想的な美しさへと昇華させています。トスカーナの陽光に照らされた黄金の麦畑を舞台に、残酷な暴力と詩的なイメージが交錯する演出は圧巻。特に、現代の戦いの中に古代叙事詩のような槍の幻影が重なる瞬間の高揚感は、映画というメディアでしか成し得ない魔法と言えるでしょう。
本作が胸を打つのは、絶望的な状況下でも失われない人間の尊厳と、記憶を語り継ぐことの祈りが込められているからです。オメロ・アントヌッティらが見せる魂の震えるような演技は、恐怖に抗う人々の強さと脆さを鮮烈に描き出します。暗闇の中で輝く流れ星のように、残酷な歴史の中に刻まれた一筋の希望の光を見事に捉えた、映画史に燦然と輝く宝石のような一作です。