主演のモハメド・サアドが放つ圧倒的な熱量と、彼が創り上げたブーハというキャラの特異な身体表現こそが本作の核です。過剰なまでのコミカルな動きは、単なる笑いを越え、困難の中でも自分を失わない人間の力強さを象徴しています。観客を圧倒する予測不能なパフォーマンスは、喜劇役者としての彼の真骨頂と言えるでしょう。
本作は、都会と田舎の価値観が衝突する中で「誠実さ」を問う人間賛歌でもあります。実力派の共演陣がサアドの奔放さを支えることで、物語に豊かな奥行きが生まれています。笑いの裏に泥臭くも温かなメッセージが込められており、観る者に明日への活力を与えてくれる傑作コメディです。