本作の真髄は、虚勢を張る男性たちの滑稽なまでの脆さを、容赦ないユーモアで暴き出す点にあります。端正なイメージを脱ぎ捨てたチ・ジニの徹底した「情けなさ」と、ヤン・イクチュンの生々しいエネルギーがぶつかり合う化学反応は圧巻です。彼らが織りなす凸凹なトリオの道中は、観客に愛の不在を笑いながら再認識させる稀有な映画体験をもたらします。
物語の背後に流れるのは、失って初めて気づく自己中心的な愛への痛烈な皮肉です。妻を探すという目的が、いつの間にか自分たちのエゴと向き合う鏡へと変貌していく演出が見事。単なるコメディの枠を超え、現代を生きる大人たちの孤独と未熟さを、鮮やかな色彩と軽妙なテンポで描ききった傑作と言えるでしょう。