“戦闘本能を研ぎ澄ませろ”
元傭兵の敏郎郎は少女サチと暮らしながら、自分を狙う数々の刺客、そしてかつて所属していた部隊の上司であるファントム率いる傭兵ら、さらには元相棒の戦士アビスウォーカーとの熾烈な戦いに身を投じることになっていく。
本作の魅力は、格闘術ゼロレンジ・コンバットを突き詰めた圧倒的リアリズムと、静寂に潜む暴力描写にあります。坂口拓が見せる「ウェイブ」という独特な身体操作は、従来の殺陣の概念を根底から覆し、もはや映像を超えた身体表現の極致と言えるでしょう。観客は肉体そのものが凶器と化す瞬間に立ち会い、本能を揺さぶる未知の映像体験に没入することになります。 そこには、戦うことの宿命と再生という深いテーマが脈打っています。日常を守るため修羅へと戻る男の葛藤は、言葉以上に鋭い眼光と無駄のない動きで語り尽くされています。余計な装飾を削ぎ落とし、純粋な闘争本能のみを抽出した演出は、観る者の心に消えない衝撃を刻む、現代アクション映画の到達点です。
監督: 下村勇二
脚本: 坂口拓 / 佐伯紅緒 / 園子温
音楽: 川井憲次
制作: 藤田真一 / Midori Inoue
撮影監督: 工藤哲也
制作会社: U'Den Flame Works