あらすじ
1984年の発刊以降、世界中でカルト的な人気を誇り、アニメ映画化や舞台化もされた丸尾末広による同名漫画を、短編映画「ミガカガミ」でモントリオールほか国内外の映画祭で注目されたTORICO監督のメガホンにより初の実写映画化。身寄りもなく、赤猫サーカス団に拾われた14歳のみどり。サーカス団に超能力を持ったワンダー正光が加入する。団員たちからいじめに遭うみどりを気にかけてくれるワンダー正光に心惹かれるみどりだったが、超能力で団員たちを従わせ、さらには殺害までするワンダー正光の姿に、その思いはやがて恐怖へと変わっていく。主人公・みどり役にはモデル、タレントとして活躍し、本作は映画デビューとなる中村里砂。「猫なんかよんでもこない。」の風間俊介、ロックバンド「SuG」の武瑠らが脇を固める。
作品考察・見どころ
本作が放つ最大の魅力は、極彩色の悪夢がそのまま形を成したかのような、圧倒的なビジュアルの美しさと禍々しさの同居にあります。レトロでデカダンなサーカス団の風景は、観る者の倫理観を激しく揺さぶり、日常の裏側に潜む狂気へと誘います。主演の中村里砂が放つ無機質な美しさは、残酷な運命に翻弄される少女の儚さを完璧に体現しており、その静謐な存在感が周囲の怪奇的な演出と強烈なコントラストを生み出しています。
風間俊介ら実力派キャストが魅せる、美醜を越えたエネルギッシュな演技は、人間の業や欲望を剥き出しにします。孤独と絶望のなかで見出される一瞬の幻想、そして究極の愛への渇望。本作は単なる惨劇を描くのではなく、抑圧された魂が美しき地獄を彷徨う精神の旅路を鮮烈に描き出しています。全編を貫く耽美な演出に酔いしれながら、私たちは自らの奥底に眠る「未知への好奇心」を突きつけられることになるでしょう。