本作の核となる魅力は、徹底してシリアスな画作りと、そこに映し出される事象の圧倒的な不条理さとの乖離にあります。一流の俳優陣が、本来であれば失笑を誘うような異様なキャラクターを、一切の迷いなく重厚に演じ切る。この大真面目にふざけるという演出の極致が、観る者の理性を見事に破壊し、理屈を超えた爆発的なエネルギーとなって押し寄せてきます。
映像表現だからこそ可能となった、質感の伴った違和感が全編に溢れ出しています。無口な大男やメカニカルな生徒が教室に当たり前のように鎮座する光景は、説明を拒絶する美学に満ちており、観客の常識を心地よく裏切り続けます。既成概念に囚われない自由な精神が全編に漲っており、理屈抜きに魂を揺さぶられる、映像の魔力に満ちた怪作といえるでしょう。