“科学に善悪はありません。たヾそれを使う人の心によって善ともなり、悪ともなるのです。”
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本作の最大の魅力は、戦後間もない日本映画界が総力を挙げて挑んだ、特撮技術の「魔法」そのものにあります。円谷英二が手掛けた視覚効果は、今なお色褪せない鮮烈な輝きを放っており、無人の服が動き出す光景は、観客の想像力を極限まで刺激します。見えない存在への恐怖と憧憬を銀幕に定着させた、純粋な視覚的驚きこそが本作の本質といえるでしょう。 豪華キャスト陣の熱演も圧巻です。喜多川千鶴や水の江瀧子らが織りなす人間模様は、単なるSFの枠を超えた濃厚なサスペンスを生み出しています。科学の進歩がもたらす狂気と、姿を消すことで露わになる人間の剥き出しの欲望。本作は、目に見える物質的な豊かさを追い求めた時代の裏側に潜む、実体のない空虚さを鋭く突きつけてくる至高のエンターテインメントです。
監督: 安達伸生
脚本: 安達伸生 / 高木彬光 / H・G・ウエルズ
音楽: 西悟朗
制作: Hisashi Okuda
撮影監督: 石本秀雄
制作会社: Daiei Film