宮藤官九郎の脚本が光る本作は、一見不条理な設定を極上のエンタテインメントへと昇華させています。主演の田中麗奈が放つ圧倒的な透明感と、柄本明ら怪優たちが醸し出す「枯れ」の美学。この異色の化学反応こそが作品の真骨頂であり、日常に埋没した大人たちがラクロスという未知の熱狂を通じて輝きを取り戻す姿は、観る者の心に心地よい風を吹き込みます。
映像は驚くほど躍動的で、世代を超えた連帯と人生の再発見を謳うメッセージは今なお鮮烈です。不器用な男たちが必死にボールを追う滑稽さと愛おしさは、映像でしか捉えられない一瞬の煌めきを体現しており、鑑賞後には必ず何かに挑戦したくなる熱い衝動が湧き上がる一作です。