ヤロスラフ・マルヴァンの稀代の喜劇俳優としての真髄が、タトラ山脈の絶景の中で見事に結実しています。彼が演じる堅物な主人公が、厳格な殻を破り、周囲との交流を通じて人間味あふれる表情へと変化していく過程は本作の白眉と言えるでしょう。言葉以上に饒舌な表情の変化が、観る者の心を温かく解きほぐします。
休暇という非日常がもたらす心の解放を、洗練されたユーモアと映像美で描き出した本作は、世代間の壁を越える人間愛の賛歌です。銀世界の開放感と共鳴する軽やかな演出は、時代を超えて色褪せない輝きを放っています。日常における休息と喜びの尊さを教えてくれる、至福の喜劇映画です。