成瀬巳喜男監督が描く、老いに抗い生に固執する女性たちの凄絶な美しさに圧倒されます。杉村春子の、金への執着と過去への未練が混ざり合う冷徹な佇まいは、観る者の心に鋭く突き刺さります。美貌が翳りゆく中で露呈する剥き出しの人間臭さこそが本作の真骨頂であり、銀幕から溢れ出す名女優たちの「凄み」に息を呑まずにはいられません。
孤独と向き合いながら猛々しく咲き誇ろうとする彼女たちの姿は、現代にも通じる普遍的な悲哀を映し出しています。朽ちてなお誇り高い「晩菊」という生き様の美学に、日本映画が到達したリアリズムの極致を見る思いです。