叔父が経営するホテルで働くトシコは、ある日ホテルから逃げだす。その道中、組の金を横領した鮫肌と出会い、共に逃亡することに。ふたりは組織の幹部・田抜やトシコの叔父に雇われた殺し屋・山田たちから追われる中で、やがて互いに引かれ合うが…。
石井克人監督が放った本作は、九十年代末の日本映画に革命を起こしたヴィジュアル・ショックの頂点です。浅野忠信のストイックな佇まいと、全編を貫く色彩センス、緩急自在な編集リズムが、観る者の網膜に「映画を観る快感」を突き刺します。 望月峯太郎の原作が持つ静かな狂気を、実写ならではの過剰な演出とポップな造形で再構築した手腕は実に見事です。漫画の行間を埋める音楽的躍動感と、岸部一徳ら怪優たちの振り切った演技は、映像でしか成し得ない動的な芸術へと昇華されており、今なお色褪せない強烈な中毒性を放っています。
監督: 石井克人
脚本: 石井克人 / 望月峯太郎
撮影監督: 町田博
制作会社: TFC / Rentrak Japan