本作は、歴史の暗部に光を当てた衝撃作であり、戦時下の人間が辿る過酷な運命を圧倒的なリアリズムで描き出しています。四列に並んで歩むというタイトルが象徴するように、自由を奪われ、死の予感に震えながらも歩き続けなければならない人々の肉体的な苦痛と精神的な絶望が、冷徹なカメラワークによって観客の心に深く突き刺さります。
キャストたちの熱演も特筆すべきで、特にエナ・ベゴヴィッチが見せる気高き悲哀は、暴力の嵐の中で失われゆく人間の尊厳を体現しています。単なる戦争映画の枠を超え、勝者によって綴られる歴史の裏側で消え去った名もなき命への鎮魂歌としての側面を持っており、鑑賞後も消えない重厚な問いを私たちに突きつけてくる一作です。