チロルの壮大な山々を背景に、七〇年代特有の解放的なエネルギーと伝統衣装が織りなす色彩美が本作の真骨頂です。テリ・トルダイとアンドレア・ラウの共演は単なるコメディの枠を超え、彼女たちの弾けるような生命力と無邪気な色香が、観る者を一瞬で陽気な楽園へと誘います。
そこには抑圧からの解放と、悦びの追求という普遍的なテーマが息づいています。風光明媚な自然の中で謳歌される自由なロマンスは、現代人が忘れがちな心の余裕を鮮烈に想起させるはず。様式美と生を肯定するパワーに満ちた、至福の映像体験を約束する一作です。