あらすじ
『時は立ちどまらない』(ときはたちどまらない)は、2014年(平成26年)2月22日(土曜)の21:00 - 23:06[1](JST)にテレビ朝日系列で放送されたスペシャルドラマ。テレビ朝日開局55周年記念ドラマ。 東北のとある海沿いの街に住む2つの家族。高台の家に住む西郷家と、漁師の家である浜口家。浜口家の長男・修一と西郷家の長女・千晶の結婚で一緒になるはずの2組の家族を東日本大震災の津波が襲った。西郷家は被害を免れ、浜口家は津波で家と家族を失う。2組の家族の運命の歯車が大きく狂い始める。
作品考察・見どころ
倉本聰が紡ぐこの物語の本質は、震災という抗えぬ悲劇の中で浮き彫りになる「人間のエゴと尊厳」の対比にあります。被災の度合いが異なる二つの家族を通し、慰めでは拭いきれない不条理や嫉妬といった、心の深淵に潜む生々しい葛藤を逃げずに描き切った点が、本作を稀有な人間賛歌へと昇華させています。
中井貴一や橋爪功をはじめとする重鎮たちが、言葉に詰まる瞬間の表情だけで物語る静謐な演技は圧巻の一言です。映像は、美しくも残酷な自然の移ろいとともに「再生への歩み」の厳しさを観客へ突きつけます。止まらない時間の中でいかに生きるかという問いは、鑑賞後も長く魂を揺さぶり続けるでしょう。