あらすじ
青函トンネルの貫通に賭けた男たちの長きにわたる苦闘と人間模様を、主演・高倉健、「八甲田山」の森谷司郎監督が壮大なスケールで描く感動のドラマ。共演は吉永小百合。
昭和29年の青函連絡船・洞爺丸の遭難事故をきっかけに、本州と北海道を結ぶ青函トンネル構想が急速に具体化する。国鉄の技術調査員の阿久津は、海底地質調査のため津軽半島へとやって来る。厳しく美しい龍飛崎の自然を背景に、トンネルの貫通に賭けた男たちの熱いドラマが展開する。
作品考察・見どころ
本作は、自然の猛威に挑む人間の不屈の意志を、圧倒的なスケールで描き出した巨編です。主演の高倉健が見せるストイックなまでの執念は、単なる職人魂を超え、人生を一つの目的に捧げた男の神々しささえ感じさせます。過酷な現場で交錯する人々の情熱と、極限状態でこそ輝く静謐な感情の揺らぎは、観る者の魂を激しく揺さぶります。
記録文学としての側面が強い吉村昭の原作に対し、映画は映像美と人間ドラマの純度を極限まで高めています。荒れ狂う海と閉塞感漂うトンネル内部の対比、そして吉永小百合が添える抒情性は、総合芸術としての底力そのもの。三十年という途方もない歳月の重みを、銀幕ならではの圧倒的な熱量で体感させる傑作です。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。