ラドゥ・ミハイレアヌ監督の才気が光る本作は、静謐な映像の中に若さゆえの危うさと、取り返しのつかない過去への悔恨を鮮烈に描き出しています。単なる後悔の物語ではなく、光と影を巧みに操る演出によって、揺れ動く若者の内面を視覚的に具現化している点が白眉です。観る者は、画面から溢れ出す焦燥感と、それでもなお消えない生の情熱に、知らず知らずのうちに心を奪われるでしょう。
フランシス・フラパをはじめとする俳優陣の抑制された演技は、言葉以上の重みを作品に与えています。若さという一過性の輝きと、それが孕む残酷なまでの純粋さを、これほどまでに鋭く、そして優しく見つめた作品は稀有と言わざるを得ません。間違いを抱えたまま歩み続ける人間の尊さを説く本作のメッセージは、時代を超えて私たちの魂を激しく揺さぶり続けます。