この作品の真髄は、崩壊の淵に立つ家族の肖像を、痛々しいまでのリアリズムと皮肉なユーモアで描き出した点にあります。依存症という人間の弱さが露呈する瞬間、スクリーンからは逃げ場のない緊張感があふれ出します。観る者は、極限状態に置かれた人々の震える魂に、自分自身の影を見出さずにはいられません。
エルナン・メンドーサらの剥き出しの演技は圧巻です。特に、沈黙の中に絶望を宿す演出は、言葉以上に多くを語り、日常の危うさを鋭く突きつけます。救いようのない闇の中でさえ微かに明滅する人間性の尊厳、そして再生への渇望を、本作は鮮烈な映像美とともに私たちの心に深く刻み込んでくるのです。