あらすじ
ニューヨークの街角にある店に、一人の老婆が入ってきた。その店は、怪物のマスクを着用して夜通し騒ぎまくるナイトクラブ。その老婆、ロゼッタと顔なじみのルパンは、ゴリラに扮して上機嫌。だが、そこに届いた宅急便の中から銭形警部が現れ、ルパンはオートバイに乗って逃走する。それを追う銭形警部との激しいバイク逃走劇は、ブロードウェイの巨大な看板へと舞台を移していく。だが、その一部始終を苦々しく見つめている男達がいた。ニューヨークを牛耳るマフィアのボス、マルチアーノと若頭のコワルスキーだった。
作品考察・見どころ
本作の最大の魅力は、鬼才・鈴木清順が監督として放ったアヴァンギャルドな美学にあります。ポップでサイケデリックな色彩感覚と、整合性すら超越した摩訶不思議な演出はまさに動くポップアート。おなじみのピンクジャケットを纏ったルパンがニューヨークを駆ける姿は、シリーズ随一の開放感と狂気に満ちています。
山田康雄氏ら伝説的キャストによる掛け合いは様式美の極致。黄金という実体以上に「ロマンという名の虚像」を追い求める男たちの粋な生き様が、虚実入り混じる世界観の中で鮮烈に描き出されています。理屈を捨てて感性で楽しむべき、唯一無二の刺激的な映像体験がここにあります。