あらすじ
夏休みの宿題として、自分の町の過去を調べることになったのび太。ドラえもんのひみつ道具「タイムカメラ」で過去の光景を撮影したところ、なんと宝を荷車に積んだ桃太郎一行の姿が写っていた。 一方、のび太のママが偶然出会った外国人が持っていた、侍の格好をした人物の小さな絵を見せられる。それはまるで写真のようであり、しかも桃太郎の姿をしていた。その絵はこの外国人が先祖代々から受け継いできたという代物で、その真相を確かめるべく日本に来たという。 「桃太郎は実在の人物かも知れない」そう思い始めたのび太らは、いつものメンバーと共にタイムマシンで過去の日本へと向かうのであった。
作品考察・見どころ
本作は、誰もが知る「桃太郎」をSF的な時間パラドックスの視点から再構築した、知的興奮に満ちた傑作です。最大の魅力は、歴史の謎を追う者が、いつの間にか歴史そのものを創り上げてしまうという精緻な因果の環にあります。大山のぶ代さんら黄金期キャストの瑞々しい演技が、ノスタルジックな風景に確かな生命力を吹き込み、観客を未知の冒険へと引き込みます。
映像としての白眉は、古代日本の風景描写とそこに息づく人々の躍動感です。タイムマシンによる時空移動の興奮と、伝説の裏側に自分たちがいたという驚きが見事に融合し、日常が非日常へと塗り替えられる瞬間の輝きを創出しています。運命の不思議さと友情を謳い上げた本作は、全世代の心を震わせる極上のエンターテインメントと言えるでしょう。