本作は、希代の言葉の魔術師ミシェル・オーディアールが、膨大なアーカイブ映像を駆使してフランスという国家の魂を解剖した、極めて挑発的なドキュメンタリーです。単なる歴史の記録に留まらず、巧妙なモンタージュによって国家の虚飾や権力の滑稽さを浮き彫りにするその視点は、鋭い剃刀のような切れ味を誇ります。
アルベール・ルブランら歴史的権威を映し出しながら、そこに宿るアイロニーを抽出する演出は、観る者の既成概念を心地よく打ち砕きます。過去の断片が現代に放つ烈しいメッセージは、時を経ても色褪せることがありません。沈黙する映像に雄弁な命を吹き込む、映像作家としての情熱と皮肉が入り混じった、映画という表現の真髄を堪能できる傑作です。