ミシェル・ヨーの至宝とも言える身体能力が、単なるアクションを「舞い」へと昇華させている点に本作の魅力があります。撮影出身のピーター・パウによる流麗な映像は、壮大な自然とアクロバティックな躍動を完璧に調和させ、観る者を重力から解き放つような高揚感を与えてくれます。
作品を貫くのは、血脈に刻まれた宿命と個の意志が激突するドラマの熱量です。リチャード・ロクスバーグらの怪演が物語に冷徹なリアリティを添え、伝説を追う者の狂気を浮き彫りにします。東洋の神秘思想と命を懸けた身体表現が交錯する瞬間、映画が持つ根源的な興奮を再発見するでしょう。