本作の魅力は、異形の怪物が抱える痛切な孤独を、巨大スケールで描いた点にあります。単なる破壊者ではない、その目に宿る悲哀と無垢な生命力は観る者の心を揺さぶります。古畑弘二による繊細な演技が、巨大化していく存在の悲劇を体現し、作品に深い叙情性をもたらしています。
特撮面では、円谷英二が手掛けるバラゴンとの躍動感溢れる肉弾戦が白眉です。実物大の造形物とミニチュアが織りなす映像美は圧巻。ニック・アダムスら実力派が添える重厚なドラマが、奇抜な設定に圧倒的なリアリティを与えています。異質な存在への畏怖と慈愛が交錯する、特撮映画の枠を超えた傑作です。