80年代アルゼンチン喜劇の奔放なエネルギーが凝縮された本作は、単なる風刺コメディの枠を超え、美の探求という滑稽で切実なテーマを鮮やかに描き出しています。ノーマン・エルリッヒの絶妙な喜劇的センスと、スサナ・トラレスが放つ圧倒的な華やかさは、観る者を一瞬で作品の熱量の中へと引き込みます。
誇張されたキャラクターたちが織りなすナンセンスな笑いの裏には、容姿への執着という普遍的な人間の業が隠されています。過剰なまでの演出が、かえって時代の空気感や人間の剥き出しの欲望を浮き彫りにする手法は見事です。知性と官能が奇妙に同居する、唯一無二の鑑賞体験を約束してくれる一作と言えるでしょう。