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本作が描くのは、巨大な権力に対し、たった一人で「否」を突きつける個人の魂の極限状態です。クルト・ヴァインツィールの抑制された演技は、英雄としての高潔さよりも、一人の人間としての苦悩と静かな確信を克明に映し出し、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。沈黙の中に宿る強烈な意思の力は、現代を生きる我々にとっても極めて重い問いを投げかけます。 アクセル・コルティ監督の峻厳な演出は、美しいアルプスと冷徹な独房を対比させ、彼の孤独を際立たせます。家族への愛と良心、信仰が交錯する描写は圧巻であり、真の「誠実さ」を胸に刻み込む精神的ドラマの傑作と言えるでしょう。画面から溢れ出す静かなる熱量に、魂が震える感覚を覚えずにはいられません。
監督: Axel Corti
脚本: Gorden C. Zahn / Hellmut Andics
制作: Claus Legal / Ernst Niesner / Werner Murawski
撮影監督: Walter Kindler
制作会社: ZDF / ORF