本作の最大の魅力は、六十年代欧州映画が誇る洗練された映像美と、銀幕を彩る豪華女優陣による優雅なる競演にあります。リリー・パルマー、ヒルデガルト・クネフといった伝説的名優たちが放つ圧倒的な存在感は、単なるコメディの枠を超え、観る者を当時のデカダンスと気品が同居する贅沢な世界観へと一気に引き込みます。
愛という名の「遊戯」をテーマにした本作は、軽妙なタッチの中に人間心理の機微を鋭く描き出しています。登場人物たちが繰り広げる知的な駆け引きは、滑稽でありながらもどこか真理を突いており、愛の不確かさや脆さを芸術的なまでに昇華させています。演出の粋が詰まった贅沢な会話劇は、まさに映画という媒体でしか成し得ない至福の鑑賞体験を約束してくれるでしょう。