あらすじ
「GO」でその年の映画賞を総なめした行定勲が監督が、 J 文学の旗手・鈴木清剛の同名小説を映画化。仕事も恋愛もなんだか上手くいかない日々を送る会社員・賢司(加瀬 亮)は、高校の同級生、凌一(池内博之)と再会し、彼が仲間と一緒に自分たちのデザイナーズ・ブランドを立ち上げようとしていることを知る。ひょんなことから部長を殴り会社を辞めることになった賢司は、凌一のブランドの立ち上げを手伝うようになる。アパートの一室で悩ましくも楽しい日々を送る賢司。しかし、彼らの服はなかなか売れないのだった……。
作品考察・見どころ
この作品は、若者たちが抱く創造への渇望と、現実という高い壁との摩擦を鮮烈に描いています。池内博之が放つ荒削りな生命力、りょうの静謐なカリスマ性、そして加瀬亮が体現する繊細な揺らぎ。ミシンが刻むリズミカルな駆動音は、彼らの焦燥や高揚と共鳴し、観る者の心拍数をも高めていく圧倒的な熱量を持っています。
柴崎友香の原作小説が持つ内省的で繊細な情景を、行定勲監督は映像という動的なメディアで見事に昇華させました。文字では表現しきれない布地の質感や、針が布を貫く瞬間の緊張感。視覚と聴覚を刺激する演出は、創作という孤独な営みを極上のロックンロールへと変貌させており、原作ファンにとっても、五感で感じる物語として新鮮な衝撃を与えるはずです。