光に抗う少年の孤独と、霧深い山村に潜む不気味な気配。本作は、特異な体質を持つ主人公の「視覚的な制約」を逆手に取った、閉塞感あふれる演出が秀逸です。単なるホラーの枠を超え、異質な存在として疎外される者の痛みと、閉鎖的なコミュニティに潜む狂気を、スペイン映画特有の湿り気を帯びた重厚な映像美で描き出している点が最大の見どころです。
主演のフニオ・バルベルデの繊細な演技と、ブランカ・スアレスが放つ瑞々しい存在感は、暴力的な恐怖の中に一筋の切なさを添えています。誰が真の怪物なのかという普遍的な問いを突きつけつつ、影と光のコントラストによって人間の根源的な恐怖を炙り出す手腕は見事。観る者の五感を刺激し、最後まで息をつかせぬ緊張感に満ちた心理スリラーの傑作です。