“生まれる前の時間と死んだ後の時間って、どっちが長いと思う?”
1995年に死んだケンヂと、1997年に殺されたハルカはかつての恋人同士。ふたりは生まれ変わり、2002年に再生する。そして出会い、かつてのように恋に落ちるが、ケンヂとハルカの運命は、"死神"と名乗る男に蹂躙されることに。
瀬々敬久監督が放つ本作は、剥き出しの欲望と孤独が交差する、痛切なまでの映像詩です。大都会の冷淡な風景の中で蠢く肉体の交わりは、単なる官能を超え、不条理な世界で「ここに生きている」ことを証明しようとする魂の叫びとして響きます。無機質な都市の質感と、生々しく脈打つ感情の対比が、観る者の深層心理を激しく揺さぶります。 川瀬陽太や伊藤猛ら実力派が見せる、虚無感の淵で足掻く人間の滑稽さと美しさは圧巻です。絶望の先にある微かな体温を求めるような切実なメッセージは、インディペンデント映画特有の鋭利な感性によって結晶化されています。時代の閉塞感を突き破るような熱量は、今なお色褪せない鮮烈な輝きを放っています。
監督: 瀬々敬久
脚本: 瀬々敬久
撮影監督: 斉藤幸一