あらすじ
新しい職場に初めて出社した日、嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。それが新しい上司・外川との出会いだった。無遠慮で図々しいように見えて、気遣いを忘れない外川に次第に惹かれる嶋だが、傷ついた過去の経験から一歩踏み出せずにいる。一方、忘れることのできない辛い記憶を抱えながらも外川は傷つくことを恐れず、嶋を想う心を隠さない。好きだけど、素直になれない二人。不器用な想いの行方は。。。
作品考察・見どころ
本作は、過去の傷を抱えた二人の男が不器用ながらも距離を縮めていく過程を、極めて抑制されたトーンで描いています。米原幸佑の繊細な揺らぎと谷口賢志が醸し出す大人の色香が、日常のオフィスを濃密な愛の空間へと変貌させます。言葉にならない沈黙や視線の交錯だけで観客を震わせる、心理描写の極致がここにあります。
ヨネダコウによる原作漫画が持つ特有の余白を、実写という媒体は呼吸や仕草という生の実体で補完しました。映像化によって、触れることへの恐怖と渇望がより切実な痛みとして昇華されており、静寂の中に響く二人の鼓動さえも聴こえてくるかのような臨場感こそが、本作における最大の白眉と言えるでしょう。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。