ウィリアム・カットが放つ、情けないけれど憎めない人間味が本作の喜劇としての質を一段階引き上げています。夢と現実に揺れる大人たちの哀愁を、軽妙なアンサンブルで見せる演出が見事です。脇を固める個性派俳優たちのコミカルな掛け合いは、観る者を一瞬で80年代特有のカラフルな熱狂へと誘うでしょう。
他人の幸せが絶頂に達する結婚式という場で、自身の苦い人生と向き合う設定の対比が実に秀逸です。単なるドタバタ劇に留まらず、愛の再起という普遍的なテーマを音楽に乗せて爽快に描き切っています。滑稽ながらも一途に生きる人々の姿が愛おしく、観る者の心に温かな灯をともす隠れた傑作と言えます。