本作は、イタリア映画特有の鮮やかな色彩と、軽妙なリズムの中に宿る「人生の移ろい」を美しく切り取った秀作です。コメディという枠組みを使いながらも、全編に漂うのはタイトルの通り蝶が舞うような儚さと瑞々しさ。日常の何気ない瞬間を祝祭へと変える演出の妙は、観る者の心に柔らかな光を灯してくれます。
ヴィオランテ・プラシドらの演技は、計算された滑稽さと真実味のある情熱が見事に調和しています。単なる笑いを超え、ままならない現実を肯定し、今を生きる歓喜を謳い上げるメッセージ性は圧巻です。映像表現の可能性を信じ抜いた、まさに五感を刺激する極上の人間賛歌といえるでしょう。