本作の真髄は、伝説的な喜劇集団のメンバーが織りなす、音楽さながらの緻密な掛け合いにあります。弦楽四重奏という気高い調和が求められる場で、演者たちの卓越した身体言語と絶妙な「間」が、崇高な芸術と人間のエゴを鮮やかに衝突させます。言葉を超えたアンサンブルの妙が、観客を笑いの深淵へと誘うのです。
映像表現としての白眉は、静寂と不協和音が交錯する皮肉な演出です。完璧を求めるほどに滑稽さが浮き彫りになる構造は、集団社会における個の軋轢を鋭く風刺しています。調和を目指しながらも足並みが揃わない人間の愛らしさと業を、洗練されたコメディとして昇華させた表現力には、ただ圧倒されるばかりです。