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本作は日本映画黎明期の奇跡であり、伝統芸能の様式美を不滅の存在へと昇華させた記念碑的作品です。九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎という伝説的名優の息遣いや、研ぎ澄まされた身体表現が、百数十年の時を超えて鮮烈に迫ります。固定カメラが捉える一瞬の静寂と動的な舞いの対比は、観る者の魂を震わせる凄みに満ち、映像という媒体が持つ魔力を改めて突きつけてきます。 記録の枠を超え、演者の放つ「気」をフィルムに焼き付けた本作は、美学を永遠に保存せんとする人間の根源的な欲求を体現しています。スクリーンに無限の奥行きを作り出すその超絶的な演技力は、あらゆる映像表現の原点と言えるでしょう。歴史の目撃者として、この静謐な画面に宿る圧倒的な情熱と芸術への執念を、ぜひその眼で深く味わってください。
監督: 柴田常吉
脚本: Nobumitsu Kanze
制作会社: Osaka Nakaza / Nihon Sossen Katsudo Shashinkai