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小津安二郎監督が初めて挑んだ色彩の美学こそが、本作の真骨頂です。アグファカラーの鮮烈な赤が画面の随所に配置され、計算し尽くされたローアングルと厳格な構図の中に、日本の情緒とモダンな感性が完璧な調和を見せています。 他人の娘の自立には寛容ながら、自らの娘の結婚には頑迷に反対してしまう父親の滑稽さと悲哀。佐分利信の重厚な演技と、それを見守る田中絹代の慈愛に満ちた佇まいは、世代交代の痛みと家族の絆を静かに訴えかけます。言葉以上に雄弁な「間」の演出が、観る者の心に深い余韻を残す不朽の名作です。