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エレベーターという極限の密室を舞台に、当時のエジプト社会の縮図を鮮烈に描き出した本作は、サラー・アブセーフ監督の卓越した演出力が光る傑作です。閉じ込められた人間たちが剥き出しにするエゴや虚栄、そして土壇場で覗かせる慈愛は、観る者の心に強烈な人間賛歌として響きます。閉塞感の中でこそ輝く洗練されたユーモアと、鋭い社会風刺のバランスが実に見事です。 ヘンド・ロストムをはじめとする豪華キャスト陣のアンサンブルは、一秒たりとも目が離せないほどの熱量に満ちています。絶望と希望が入り混じる狭い空間で、彼らが魅せる表情の機微は、まさに「天と地の間」で揺れ動く人間の本質そのものを体現しています。単なるコメディの枠を越え、生と死、そして他者への赦しを問いかける深いメッセージ性は、時代を越えて観る者の魂を揺さぶり続けます。
監督: Salah Abu Seif
脚本: ElSayed Bedir / Naguib Mahfouz / Salah Abu Seif
音楽: Fouad El-Zahry
制作: Sayed Ismaeil / Adeeb Gaber
撮影監督: Wahid Farid
制作会社: دينار فيلم / Dollar Film