あらすじ
暗い街があった。荒廃し、渾沌とした街の中に出来る隙間。路地の明かりが燈るとき、その向こうには、子供にしかできない遊び、子供にしか入れない世界があった。子供たちは知っている。鬼と呼ばれる異形の者達との「オトコヨ様のお遊戯」、秘密の遊び「カクレンボ」のことを。行方不明になった妹を探すためにカクレンボに参加する少年ヒコラ、そしてヤイマオ。鬼の正体を暴こうとする3人組のノシガ、タチジ、スク。不気味な双子インム、ヤンク。そしてたった一人の女の子。子供たちは知りたかった。この遊びを、この街を、この世界を‥‥。
作品考察・見どころ
廃墟の路地裏に漂う湿り気、そして闇から滲み出る圧倒的な威圧感。本作の真髄は、セル調3DCGを用いて「土着的な恐怖」をスタイリッシュに昇華させた点にあります。無機質な機械と生物が融合したような鬼の造形は、抗いようのない運命そのものを象徴しており、視覚的な衝撃と共に観る者の深層心理に深く刺さります。
竹内順子の力強い演技が、消えゆく子供たちの儚さを際立たせ、「神隠し」の不条理を浮き彫りにします。遊びが禁忌へと変わる瞬間、観客は「見てはいけないもの」を覗き見る高揚感と絶望を同時に味わうでしょう。短編という時間の中で、世界の境界線が崩壊する瞬間に立ち会える、至高の映像体験です。