本作はスペインが誇るポスト・ユーモアの旗手たちが集結した、不条理の極致とも言える怪作です。ミゲル・ノゲラとハビエル・ダウラが見せる、絶妙に噛み合わない沈黙と緊張感は圧巻。単なる笑いを超え、人間の承認欲求や創作に潜む滑稽さを、冷徹かつ情熱的な筆致で描き出しています。
閉塞感漂う空間演出が生み出す中毒性も特筆すべき点です。日常的な対話が狂気へと変貌するプロセスは、映像特有の「間の芸術」を堪能させてくれます。観客の予測を裏切り続ける展開の先に、私たちは失笑しながらも、剥き出しになった人間の本質を突きつけられるのです。