あらすじ
今日も世界中で活動をするルパン三世。しかし、それはほとんどが違う格好、違う顔、違うジャケットを着ていた。何十人のルパンを海を越えて捜査していた銭形は、それはすべて偽者だと感づいていた。東京の寂れた街。夢も希望も無く、ただ毎日を漠然と過ごすしかなくラーメン屋のアルバイトで生計を立てる青年ヤスオは恋人である人気レポーターのユキコからも愛想をつかされつつあり、叶う事の無い「刺激」を求め続けていた。しかしそんな時店に残っていた緑色のジャケットとスったワルサーP38を切っ掛けに、彼の人生は大きく狂い始めて行く。
作品考察・見どころ
本作が突きつけるのは、ルパン三世という記号の正体への挑戦的な問いです。緑と赤、歴代の変遷を象徴する色が衝突する様は、単なる新旧の対決を超え、時代が求めるヒーロー像の葛藤を鮮烈に描き出しています。伝説を継承する覚悟と狂気が交錯する演出は、観る者のルパン観を根底から揺さぶる、刺激的なメタフィクションの傑作と言えるでしょう。
キャスト陣の熱演も白眉です。栗田貫一ら不動のメンバーが放つ圧倒的な風格が、無数の偽者が跋扈する混沌とした世界に一本の芯を通しています。外見的な記号を超えた「意志」や「生き様」こそがルパンを形作るのだと雄弁に語る本作は、ファンなら避けては通れない、深淵でスリリングな映像体験を約束してくれます。